悠久の響き

 

Fuji

 

大いなる山の懐に包まれて

心から満たされる

 

大いなる山のかいなに抱かれて

心から癒される

 

Fujiは不二

唯一無二

 

Fujiは不死

魂の還る場所

 

Fujiは不時

時を超える場所

 

Fujiは富士

そびえたつ道標

 

 

 

 

 

流した涙を糧として

次の春には、花が咲くだろう

 

どんな痛みも苦しみも

涙になれば、大地の糧

凍てつく冬に

大地が育み、花へと変える

 

次の春には、花が咲くだろう

苔むした大地は緑におおわれ

色とりどりの花が咲くだろう

 

私が流した涙も、花になるだろう

 

明るい春の、色とりどりの花々は

生あるすべての、涙の転生

 

心に安らぎと喜びをもたらす

大地からの贈り物

 

 

 

 

 

我は愛なり 我は光なり

 

闇は光の分身にて

闇が光に変わるとき

それがこの世で生きる喜び

 

孤独は愛の分身にて

孤独を愛に変えるため

我は地上に降り立ちぬ

 

我は愛なり 我は光なり

すべて愛なり すべて光なり

 


 

微笑み

 

私が道端の花に目を止めるとき

あなたも立ち止まって

その美しさを愛でられる

 

私が凪いだ海のように安らかな時

あなたは透明になって

限りない至福の中にある

 

私が苦痛に苛まれるとき

あなたもまた苦痛に

身もだえて嘆かれる

 

すべての苦しみを通り過ぎ

すべての悲しみを知る方よ

あなたの心が安らぐならば

私は微笑みましょう

 

だけど今は少しだけ

その腕の中で嘆かせてくださいますように

 

 

祈りの声

 

マリア様、私は幼い時

教会のお祈りの中で

あなたの優しい御姿を目にすることができました

 

それから私は

朝の光の中に

空の青さの中に

星のまたたきの中に

あなたの微笑みを見ることができました

あなたの優しい微笑みは

私の支えであり、安らぎでした

 

なのになぜ、今なぜ、

姿を見せては下さらないのでしょう?

私がもっとも辛く

生きることさえ投げ出してしまいそうなこの時に

なぜ姿を見せては下さらないのでしょう

 

マリア様、どうか私をこのような

きまぐれで残酷な運命のもとに

置き去りにされませんように

どうか、マリア様

 

 

 

 

楽 園

 

シルフィードたちは

空をキャンパスに雲で絵を描く

 

コボルトたちは土を耕し

水晶を産みだす女神を守っている

 

ウンディーネたちは

天地の歌を歌いながら流れてゆく

 

サラマンダーたちが

情熱のキスをすると、花が開き、蝶々たちがやってくる

 

ごらん、ここは楽園

太陽と月が寄り添って昇る国

あの広い大きな海を

泳いで渡った者だけが、

たどり着ける楽園


永 遠

 

時は満ち、月は満ち、

すべての夢がもどってくる

 

悠久の彼方で夢見た

あの、幸せの園が

もうすぐ、ここへやってくる

 

力を無くしたあなたの腕から

すべりおちた、あの恵みの木の実が

もうすぐ、芽吹いて花開く

 

そうしてあなたは甦る

昔見た、あのままの美しい姿で

かけがえのない、私の

命で、夢で、永遠

 

時は過ぎ、月は欠け、

でもこの愛だけは永遠に変わらない

かけがえのない、私の

太陽で、月で、永遠

 

 

 

 

忘れられた神殿

 

開け放たれた門、ゆがんだ扉、

崩れ落ちた、金の神殿

 

祈る者も、

訪れる者さえない、金の神殿

 

かつて、あなたがそこにいたことすら

誰も想い出さぬ、壊れた神殿

 

人々はあなたに背を向けて

光のない人生を生きている

 

あなたは人々から遠く離れ

人々が振り向く日を待っている

人々が振り向く日を信じてる

変わらぬ、金の光のままで

 

だけど私には見える

あなたが放つ、金の光

輝ける黄金の神殿が

私には見える

 

私の愛する、金の神

 

 

 

 

君は知ってる

 

もう君は

知っているだろう

 

道ばたの石さえが

時に誰かの顔に見えるのを?

 

そよ吹く風さえが

時に誰かの声に聞こえるのを?

 

君が心を開いた時

すべてが君に微笑みかける

 

友達も恋人も

空も大地も海も

ただ君とともにある

 

そうだ君は

愛されてそこにいる

許されてそこにいる

 

 

 

 

この歌を

 

やがて朝が来る

あなたの黄金の輝きと共に

木々も花も小鳥達も目覚めるだろう

だけど人々は眠っている

 

あなたが両手を広げれば

風も雲も光も挨拶するだろう

だけど人々は気づかない

 

苦しみに顔もあげられぬ者達を

どうぞお見捨てになりませんように

 

絶望の淵から身を投げる者達を

どうぞ受け止めてくださいますように

 

いつか時の彼方で

再びあなたに巡り会えますように

 

 

天地

 

天なる父がさしのべた手と

母なる大地がさしだした手と

二つの手のひらがあわさった時

ひとつの生命が生まれたんだ

 

だからどんな魂も

みんな天地に愛されているんだよ

みんな父母に愛されているんだよ

いつも見守られているんだよ

 

泣いても笑っても

悲しんでも楽しんでも

真剣に生きても、いい加減に生きても

 

生まれてから死ぬときまで

天地のてのひらの上なんだ

 

 

 

 

神様は優しい夢を見る

私の世界は温かい

私は優しい夢を見る

神様が笑ってる

 

神様は哀しい夢を見る

私の世界は冷えている

私は哀しい夢を見る

神様が泣いている

 

私が夢見る神様は

いつもいつも、夢見てる

神様も私の夢の中

私も神様の夢の中

 

私が笑えば、神様も笑う

私が泣けば、神様も泣く

 

私も夢

あなたも夢

神様も夢

みんな、夢

 


 

 

 

【薔薇】

 

 

六月の太陽

 

 

六月の太陽は

まぶしく、あたたかい

 

青く澄んだ大空を

すべるように駆けていく

黄金の神よ

 

まるであなたの瞳のように

私の心も晴れわたる

 

こんなにも空は青く

こんなにも風は優しく

こんなにも花は甘いのか

 

六月の太陽は告げる

あなたを

愛してる、愛してる、愛してると

 

 

 

Birthday

 

あなたが生まれた日

太陽が微笑んだのよ、知ってる?

 

風が祝福のダンスを踊り

花が祝福の歌を歌い

天使が空から舞い降りた

 

祝福の日の終わり

輝く満点の星の間から

すべり落ちた私は

眠りについた小さなあなたにキスをした

 

あなたが、生まれた日に

 

 

 

誰も・・・

 

美しく青い空の下

小鳥がさえずる夢の歌

風がささやく希望の歌

私が奏でる愛の歌

 

冷たく寒い嵐の夜

激しく吹きすさぶ風の音も

窓をたたく雨の音も

 

私が奏でる歌を消せはしない

 

昼も、夜も、

晴れでも、雨でも、

春も、夏も、秋も、冬も、

 

私は歌い続ける

愛してると・・・!

 

誰も知りはしない

私は幸せだ・・・と

 

だけど、たったひとりには知って欲しい

幸せだ!と

 

 

 


 

あなたが涙を流すなら

私はその悲しみを受け止めよう

 

あなたの喉が乾いたなら

私はあなたの乾きを潤そう

 

あなたが私を見いだしたのか

私があなたを見いだしたのか

私は、私の岸辺に

あなたがいることを知っている

 

時には天の太陽が

私の水面を美しく照らせてくれるだろう

時には空の小鳥が

私の恋を歌ってくれるだろう

 

あなたの命が終わるなら

私は空気に溶けて

あなたの魂の供をしよう

私が消えた後の大地が

あなたの亡骸を受け止めてくれるだろう

 

 

 

 

花 梨

 

天は高く、地は広く

どこまでも駆ける蹄の音

 

空は青く、森は蒼く

遠く羽ばたく翼の音

 

光あふるる春の日に

風がひらりと舞い落ちる

 

ああ、其は風に舞い散る白き花

 

花ぞ君よと思いしや

君ぞ花よと思いしや

 

 

 

金と銀

 

金色の太陽と

銀色の月が円舞曲を踊る

 

輝ける太陽と

麗しき月は恋人なのさ

 

まわるまわる

月日は巡る

 

踊る踊る

永遠に続く時の円舞曲に身をまかせ

 

太陽よ、月をつかまえたいかい?

月よ、太陽につかまりたいかい?

 

だがもう少しだけ待っておくれ

僕が恋人をこの腕に抱きしめるまで!

 

 

 


奇 跡

 

幾億の魂の群れから抜け出して

巡り会えた奇跡を祝おう

 

生命は一瞬の輝き

目覚めればまた夢の中

愛が生まれた炸裂を

この出会いの奇跡を祝おう

 

選ばれて二人はここにいる

愛を伝えるために

愛を受け取るために

愛を分かち合うために

生命の意味を、やっと見つけた

 

神が許したもうた、この愛を祝おう

 

 

 

 

木霊(こだま)

 

風が歌うのも、花が歌うのも

すべては私の愛の木霊

 

太陽が笑うのも、月が微笑むのも

すべて、私の愛の照り返し

 

天に向かって、歌を歌うと

世界中から木霊が返ってくる

 

愛していると、私が歌う

世界中から木霊が叫ぶ

「愛している!」と

 

太陽が、月が、星が

風が、花が、木々が

小鳥達が、森のけものたちが

「あなたを、愛している!」と

 

私はただ、ここにいて

世界中の愛の木霊を聴いている

 

 

 

 

それはいつも突然

晴天の雷に打たれたように

電光石火の早業で

魂をつかまえてさらってゆく

 

一度つかまえられたなら

逃げ道なんてどこにもない

まして気づかないフリは愚の骨頂

後は観念して

木偶の坊になる覚悟を決めること

 

ため息くらいは

自由につかせてもらえるさ

 

 


SILK

 

心に魔法のシルクをかけられた

心はシルクに絡められ

体は力を失った

 

瞳に魔法の絵画を見せられた

瞳は絵画に吸い込まれ

世界は霞んで消えさった

 

心はひとつの名だけを呼び

瞳はひとつの姿だけを追う

 

私はあなたに絡み取られた

あなたという魔法に

私は囚われの身となった

 

 

 

もしも、私に

 

もしも、私に

あなたを見つめるための瞳がないとしたら

なんと寂しいことだろう

あなたの微笑みを、まなざしを

受け止めることができないとしたら

なんと寂しいことだろう

 

もしも、私に

あなたの声を聞く耳がないとしたら

なんと悲しいことだろう

あなたの歌を、ささやきを

受け止めることができないとしたら

なんと悲しいことだろう

 

もしも、私に

あなたに語りかけるための声がないとしたら

なんとむなしいことだろう

あなたの名を呼び、思いを語る

声を持たないとしたら

なんとむなしいことだろう

 

もしも、私に

あなたを抱きしめるための腕がないとしたら

なんともどかしいことだろう

あなたを追いかけ、ともに歩くための足がないとしたら

なんともどかしいことだろう

 

もしも、私に

あなたを愛するための体がないとしたら

なんと辛いことだろう

あなたを愛し、愛されるための

体を持たないとすれば

なんと辛いことだろう

 

たとえ、私が

何も持たぬ、光のひとしずくになっても

寂しくても

悲しくても

むなしくても

もどかしくても

辛くても

やはりあなたを愛しているだろう

 


 

 

涙と水晶

 

あなたの涙が落ちたとき

水晶がはじける音がした

 

あなたの涙は水晶を奮わせ

私の心を解かしてくれた

 

私もまた涙を落とす

水晶の音がひろがってゆく

 

私もあなたも

水晶の響きのなかにいて

ひとつの音がふたつの魂を紡いでいた

 

 

 

あなたの瞳は

 

その瞳は

水晶のごとく澄んでいる

その瞳は

静寂な深い泉のよう

 

心のかすかなふるえさえ

静かに映し出されてしまう

 

それゆえ、その瞳の前で

心の曇りを恥じ

そして恋焦がれずにいられない

あなたの、その瞳の前で

 

その瞳が私を見つめている

心は静まることがなく

新しい炎に燃えている

 

 

 

ただひとり

 

私の心を傷つけるのは

この世に、ただひとりだけ

 

私の心を奮わせるのは

この世に、ただひとりだけ

 

私に涙を流させるのは

この世に、ただひとりだけ

 

私に微笑みをもたらすのは

この世に、ただひとりだけ

 

私の心を躍らせるのは

この世に、ただひとりだけ

 

私に吐息をつかせるのは

この世に、ただひとりだけ

 

私が心から愛するのは

この世に、ただひとりだけ

 


 

天 よ

 

私は青空へと手をさしのべる

私は空になる

空になって見下ろす地球は

青く美しく、ほんの少し病んでいる

 

私は大地にうつぶせる

私は大地になる

大地になって見上げる宇宙は

広く遙かで、ほんの少し悲しんでいる

 

私はあなたを抱きしめる

私はあなたになる

あなたになって見下ろす私は

小さくうつむいて、ほんの少し疑っている

 

天よ、地よ

すべては近づいては遠ざかり

すべてはここにあり

ここにはなにもない

 

天よ、地よ

どこにもたどり着けぬとて

私はこの人を見いだした

私は、生きている!

 

 

 

天 女

 

どうしてこんなにも

心がさわぐのだろう

 

心だけが勝手に

飛び立ってゆこうとしてる

 

そうだあの日から

私は囚われ人になった

 

自由を捨てて

囚われ人になった

 

あの人のまなざしひとつで

私は天女にも夜叉にもなれる

 

 

 

絶 唱

 

あなたの胸にもたれて

私は憩う

もうどこへ行かなくてもいい

私はやっと、たどり着いたのだ

 

身が引き裂かれるような

嵐の日々も

心が引き裂かれそうな

嘆きの日々も

 

私はただ

愛だけによってのみ

生きられるだろう

 

愛だけのために生き

愛だけのために死ぬだろう

 

神様

最初の女の願いと

私の願いは同じです

 

そして最後の女もまた

私と同じ願いをするでしょう

 

「神に召されるときは、ともに」


 

 

 

【記憶の彼方】

 

 

忘 却

 

あなたは私を忘れる

私を忘れる

私が存在することを

私が愛していることを

あなたは

またたきの間に

いともたやすく、忘れてしまう

 

あなたの魂は

いともたやすく、飛翔する

空へ、彼方へ

なにもかも、忘れて

 

愛が忘れ去られるのなら

苦しみや哀しみなら

あなたは覚えていてくれるのだろうか

あなたに苦痛を与えたなら

あなたは私を忘れないのだろうか

 

忘却の哀しみは

忘れ去られる者にしか・・・

 

あなたは、誰かに忘れ去られ

苦しむことがあるのだろうか

私と同じ哀しみを

味わうことがあるのだろうか

 

いつか、私と同じ哀しみを味わったなら

私のことを

思い出してくれるのだろうか

 

 

 

漂 泊

 

夢の中で、夢を見て

あなたが今もそこにいて

微笑んでいる夢を

 

心がつかの間の安らぎを求めても

つかの間の喜びを求めても

ひとときの慰めしか得られない

 

私の魂は彷徨ったまま

寄る辺ない小舟のように

帰り着く岸辺を持たないのだ

 

どうして、楽しみ、笑う世の人々と

同じように暮らせるだろう

あなたをなくしては

 

恋を求めても同じようには感じない

あなたをなくしては

 


 

希望よ

 

希望よ

昨日までは喜びであり

心踊らせ、慕わしく思ったおまえの名が

今日は苦しみに変わるとは

 

希望よ

私の人生を甘く彩ったおまえが

今日は残酷な痛みに変わる

あの人が去ってしまっては

 

希望よ

おまえが心に浮かぶたび

私の胸ははりさけ、血を流す